背景
Nemetschekグループは、Graphisoft(Archicad)、Vectorworks、Allplan、Bluebeam、Solibriなど建設・設計業界を代表する複数のBIMソフトウェアブランドを傘下に持つドイツの上場企業です。同グループの業績はBIM・AECソフトウェア市場全体の動向を映す指標として、業界関係者に広く注目されています。
内容
2025年度通期(1〜12月)決算において、Nemetschekグループは売上高11億9,120万ユーロ(前年比+19.7%、通貨調整後+22.6%)を達成し、グループ史上初めて10億ユーロの大台を突破した。なかでもサブスクリプション・SaaS売上は8億5,870万ユーロ(+51.2%)と急増し、売上全体に占める比率が大きく高まった。EBITDAは3億7,110万ユーロ(+23.3%)、利益率は前年の30.2%から31.2%に改善。営業キャッシュフローも4億290万ユーロ(+31.3%)と強含んだ。配当は1株あたり0.68ユーロ(+24%)と提案され、13年連続の増配となる。2026年は通貨調整後で14〜15%の売上成長と、EBITDA利益率32〜33%を目標に掲げている。
なぜ重要か
BIMソフトウェア業界の主要プレーヤーが安定した高成長を示したことは、AEC分野のデジタル化需要が世界的に継続していることを裏付けている。特にサブスク・SaaS転換が50%超という数字は、従来の永続ライセンス型からクラウド課金型へのビジネスモデルシフトが業界標準になりつつあることを意味する。ベンダー選定や予算計画に直結する情報として実務担当者は把握しておく必要がある。
日本への影響
Graphisoft JapanやVectorworks日本法人を通じた日本市場への投資継続が見込まれる。サブスク移行が進む中、国内ユーザーは永続ライセンスから年間サブスクへの切り替え判断を迫られる可能性がある。また、同社が注力するAIアシスタント機能(Archicad AI、Vectorworks AI Visualizerなど)が今後のアップデートで日本語対応に向けて強化されることが期待される。