背景

Graphisoftが Archicad および MEP Designer の最新バージョン(29.1.0/ビルド4006)をリリースしました。BIM設計における MEP(機械・電気・配管)領域は、複雑な計算と多職種連携が求められる領域です。従来は設計と計算のフローが分断されていたため、プロジェクトの進行に遅延が生じやすくなっていました。

内容

本アップデートの目玉は MEP Designer と CALHYDRA の連携です。配管モデル上でヨーロッパ・ドイツ規格に準拠した水理計算・シミュレーションを直接実行でき、配管径の最適化が高い信頼性をもって実現されます。また新機能「Replace All Packages」により、古いプロジェクトのライブラリを数クリックで最新版に一括更新可能です。Bluebeam Connection アドオンは5地域(ドイツ、英国、オーストラリア、米国、スウェーデン)のサーバーに対応し、データレジデンシー要件に対応しました。BIMx エクスポートも最適化され、ファイルサイズ削減と読み込み高速化を実現しています。

技術的ポイント

MEP設計では床平面図および連動一覧表に水配管システムの計算結果を直接ラベル表示できるようになりました。これにより BIM モデルとドキュメントの同期が自動化され、手動更新による属性値ズレのリスクが軽減されます。AI Assistant は AI Visualizer とシームレスに連携し、自然言語による BIM クエリのオートコレクト機能で複雑な選択操作が柔軟化されました。

業界への影響

これまで MEP 設計者は、AutoCAD や専門ツールで計算後に結果を手動で BIM モデルに反映させていました。今回の統合により、その往復が不要になり、プロジェクト納期短縮と設計品質向上が期待されます。特に大規模商業施設・医療施設などの複雑な配管システムを扱うプロジェクトにおいて、現場検証時の変更対応も迅速になります。Teamwork 使用時はバージョン統一が必須のため、組織全体での計画的導入が重要です。